無観客試合を盛り上げる テクノロジーに注目

2020.07.28

7月10日からプロ野球とJリーグは、ともに観客を動員しての公式試合を開始しましたが、新型コロナウイルスの影響によりプロスポーツも、まずは感染防止・安全対策を行い、観客をスタジアムに入れない形での試合となりました。各チームとも、無観客試合を、どの様にしてファンやサポーター達と一緒に盛り上がり楽しめるのか、ファンやサポーターの熱い応援を、選手・チームにどの様に届けるのか多様な工夫を試みています。我々アビックスも大型のLEDビジョンをプロサッカーチームやバスケットチームに導入させて頂いている事もあり、大型LEDビジョンを活用してファンが楽しめ、選手のモチベーションを高める事を目的にB.LEAGUE所属のプロバスケットボールチーム金沢武士団と実験を行っております。

目次

大型LEDビジョンを活用した実験とは?

プロの選手にとってファンが試合会場に足を運び応援してくれる事は、試合をする上で大きな励みになるとの事。だが、コロナ禍の現在、観客を入れての試合が難しい状況。また、ファンは遠隔地でTVを見ながら応援する事も出来るが会場での観戦と違い直接声援を送る事が出来ない。そこで無観客でも盛り上がり、楽しめるスポーツ観戦として大型LEDビジョンを活用した「リモート応援」の仕組みを実験する事になりました。実験内容としては、試合会場でスポンサーの広告等を映す事に使われている大型LEDビジョンに、遠隔にいるファンを視認出来るクオリティで映す事が出来るか、遠隔地にいるファンが送るメッセージを大型LEDビジョンに流す事が出来るかの、2点に注視し実験を実施しております。

大型LEDビジョンに人とメッセージを映す

遠隔地にいる人を大型LEDビジョンに映す方法は、ZOOMを活用させて頂く事にしました。最近多くのビジネスパーソンが利用している事や小学生の塾の授業等でも使われている事から、幅広い年齢層で利用者がいる事が想定される為ZOOMを選定しております。次にメッセージを送るツールを選定。こちらは、株式会社コメントスクリーンが提供しているコメントスクリーンというサービスを使ってみました。こちらは、プレゼンやオンラインイベントを盛り上げる為等に使われているアプリで簡単に言うとコメントを打ち込むとニコニコ動画の様に画面にコメントを流す事が出来るアプリです。

実験の流れとしては、
1.ZOOMのホストPCから、遠隔地にいるファンを招待する。
2.招待されたファンがコメントスクリーンを使いメッセージを打ち込むとホストのPCにコメントが流れる様に設定する。
3.ホストPCの画面を大型LEDビジョンに複製表示する。
4.遠隔地にいるファンが大型LEDビジョンに表示され打ち込んだメッセージが流れる。

実際の実験結果としては、遠隔にいる人を大型LEDビジョンに映し出す事が可能で、メッセージを流す事も出来ました。画像の大きさや表示の仕方等、調整が必要な課題はありますが、視認出来るクオリティで,さらにZOOMとコメントスクリーンだけを使い遠隔地にいるファンを映し、打ち込んだメッセージを表示出来た事は、大きな成果ととらえています。

金沢武士団選手の反応は?

後日、金沢武士団が練習を行っているコートの周りに大型LEDビジョンを並べそのコートで選手に練習を行って頂きました。上記と同様に遠隔地にいる人とZOOMを繋ぎ大型LEDビジョンに人を映しております。また、ホストPCにWebカメラを接続しZOOMで招待された人が練習を見れる様にもしてみました。実際に練習をした選手の反応としては、人が映ったビジョンが視界に入ったとしてもプレーを行う上で全く気にならないとの事でした。

また「横を向くと人がいるというのは、実際の試合に近い」との嬉しいコメントも頂いております。観戦者からしても自分自身が会場の大型LEDビジョンに映る事で選手のモチベーションが上がり、良いパフォーマンスに繋がるとすれば、さらに嬉しい事です。

また、ZOOMで招待された人も常に笑顔で、時には手を叩いて練習風景を楽しんでいる様子も見て取れました。

今後について

今後は、遠隔のファンを大型LEDビジョンに映す最適なレイアウトの検証はもちろん、特別なメッセージを送る事が出来る仕掛けを作る事や、メッセージと音の連動等、選手のモチベーションが上がり、ファンが楽しく応援が出来る新しいスポーツ観戦のスタイルを仕組み化しサービス提供出来る様にしていきます。

まだまだ新型コロナウイルス感染症を懸念する声も強く、政府の指針に従いしばらくは収容人員の制限等が続きそうな状況ではあります。ただ、会場に来れる観客と会場に足を運べない遠隔地にいるファンが一緒になってチームや選手を応援する仕組みを構築し、新しいスポーツ観戦(リモート観戦・リモート応援)の楽しみを創る事が出来れば、今まで会場に足を運ぶ事が難しかった新しいファン層の獲得にも繋がる可能性があります。

感染拡大の第二波、第三波も懸念されるなか、今回の実験は、今後の新しいスポーツ観戦の在り方を考える上で大きな可能性を感じております。