LEDサイネージとは?仕組みや活用するメリット、導入事例を徹底解説
LEDサイネージとは何か、その仕組みから屋外での活用メリット、種類、導入で失敗しないためのポイントまで専門家が徹底解説。最新の企業導入事例も豊富に紹介し、LEDサイネージの全てがこの記事一本でわかります。
目次
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昨今のデジタル技術の進化により、企業の情報発信手段が大きく変化しています。なかでも注目されているのが、屋内外を問わず多彩な場面で活用できるLEDサイネージです。
しかし「LEDサイネージって何がすごいの?」「屋外に設置したいけど、耐久性やコストはどうなのだろう?」という疑問を持つ企業担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこでこの記事では、LEDサイネージの導入を検討している方に向けて、LEDサイネージの仕組みや活用メリット、種類、導入時の検討ポイント、実際の導入事例について詳しく解説します。
LEDサイネージとは?
「LEDサイネージ」とは、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)を用いて映像や文字情報を表示するデジタルサイネージの一種です。
高輝度で視認性が高く、屋内外問わずさまざまな場所に設置して活用することができます。特に、屋外の大型広告やイベント会場、商業施設などでの広告や情報発信に適しています。
デジタルサイネージとの違い
「デジタルサイネージ」とは、ディスプレイを使って広告や情報を表示するシステム全体を指す言葉です。液晶(LCD)や有機EL(OLED)などを活用したものが主流で、主に屋内の店舗・オフィス・交通施設などで広く使われています。
一方、LEDサイネージはデジタルサイネージの中でも「LEDモジュール」を使って構成されたもので、明るさ・耐久性に優れているため、より広い視認距離や大規模な表示面積に対応できる点が特徴です。
LEDサイネージの仕組み
LEDサイネージとは、無数の小さなLEDの点灯を制御することで映像や文字情報を表示するものです。
具体的には、赤(R)・緑(G)・青(B)の3色のLED素子が1つのピクセル(画素)を構成し、これらのピクセルが基板上に高密度に並べられています。このピクセル(LED素子)一つひとつに、コンピュータから信号を送って明るさや色を制御し、映像や文字情報を表示するという仕組みです。
LEDサイネージを活用するメリット
LEDサイネージを導入すると、企業の広告や情報発信においてさまざまな効果が期待できます。
主なメリットは次の3つです。
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
明るく高い視認性で、屋外でも映像がくっきり見える
LEDサイネージは、発光ダイオードを利用しているため、明るくて視認性が高いという特徴があります。たとえば、直射日光が当たるような屋外環境でもくっきりとした鮮明な映像表示が可能です。
また、夜間や暗い所では、明るさを自動調整する機能を備えたモデルもあり、環境に応じて最適な視認性が確保できます。
設置場所に合わせて自由なサイズや形にカスタマイズできる
LEDサイネージはモジュール構造を採用しているため、設置場所に応じて柔軟にサイズや形状を調整できます。平面タイプはもちろんのこと、曲面や円柱、透過型、床面設置用、フレキシブル型、キューブ型、球体型など、多様な形状に対応可能です。
そのため、建築デザインと調和させたり、空間演出として活用したりと、表現の幅を広げることができます。
省エネ・長寿命でコストを削減できる
LEDサイネージは、従来の蛍光灯やネオン管と比較して消費電力が小さく、省エネ性能に優れています。
また、LED素子自体が長寿命であるため、頻繁な交換が要りません。そのため、維持管理にかかる手間やコストを大幅に削減しながら、長期間にわたって安定した情報発信が可能になります。
LEDサイネージの種類
LEDサイネージは、設置場所や形状、表示解像度によってさまざまな種類があります。ここでは、次の3つの視点から代表的な種類を紹介します。
それぞれ詳しくみていきましょう。
設置場所による分類
LEDサイネージは、設置場所によって屋外用と屋内用に分けられます。設置場所の環境条件や目的に応じて適切なタイプのLEDサイネージを選定することが、情報発信の効果を高め、長期的に安定した運用を実現するための重要なポイントです。
屋外用LEDサイネージと屋内用LEDサイネージのそれぞれの特徴や用途は次の通りです。
特徴 | 用途 | |
---|---|---|
屋外用LEDサイネージ | 高輝度で防水・防塵性能が高く、耐候性に優れている | 交通量の多い道路沿いや公共施設の外壁、大型商業施設のファサードなど |
屋内用LEDサイネージ | 高精細で視野角が広く、近距離での視認性が高い | 商業施設の店内ディスプレイやオフィスの受付、展示会のブースなど |
形状・デザインによる分類
LEDサイネージは、設置場所や目的に応じて多様な形状・デザインがあります。これにより、視認性の向上や空間演出の幅の広がりが見込め、さまざまなニーズに対応することが可能です。
設置する空間の特性や演出効果を考慮し、最適な形状を選ぶことが重要となります。主な形状・デザインによる分類とその特徴、用途について比較すると次の通りです。
特徴 | 用途 | |
---|---|---|
平面型 | 最も一般的な形状で、フラットなディスプレイ面を持つ | 屋内外の壁面や看板、店舗のファサードなど |
湾曲型 / 曲面型 | ディスプレイ面が曲面になっており、視覚的なインパクトを与える | ショッピングモールの柱やイベント会場の装飾など |
透過型 | 高い透過率があるため、ガラス面に景色や光を遮らずに映像を表示できる | 店舗のショーウィンドウやガラス面など |
床用 | 床面に設置するタイプで、耐荷重性や防水性に優れている | イベント会場や展示ブースでの演出など |
フレキシブル型 | 柔軟性のある素材で作られており、曲面や複雑な形状にも対応できる | 柱や曲線のある壁面、天井など、特殊な形状の場所など |
キューブ型 / 円柱型 / 球体型 | 立体的な形状を持ち、360度全方向からの視認性を確保できる | 美術館や企業ショールーム、イベント会場など |
実装方式による分類
LED素子の実装方式によっても、表示品質や耐久性、コストなどが異なります。主要な実装方式のSMD、COB、GOBの特徴と用途を比較すると次の通りです。
特徴 | 用途 | |
---|---|---|
SMD(Surface Mount Device)方式 | ・LED素子の基本的な実装方式で、基板に穴を開けずに表面実装した方式 ・製造コストが比較的低く、広く普及している | 屋内外の大型ディスプレイ、商業施設の案内板、イベント会場の映像表示など |
GOB(Glue On Board)方式 | ・SMD方式のLEDチップを透明な樹脂でコーティングし、耐久性を高めた方式 ・衝撃・振動に強く防水・防塵性にも優れている | 床面ディスプレイ、キッズスペースなど衝撃に強いため人が触れる至近距離に適している |
COB(Chip On Board)方式 | ・LED素子を基板の上に直接実装した方式 ・通常のLEDパネルでは難しい0~1mm台の超狭ピッチが実現できるため、高精細な表示が可能 | 近距離での高精細表示が求められる放送スタジオ、制御室、会議室など衝撃に強いため人が触れる至近距離に適している |
「LEDビジョン(LEDタイプ編)の種類」の資料DLはこちら
LEDサイネージを導入する際のポイント
LEDサイネージを効果的に活用するためには、導入前に十分な検討を行うことが重要です。
具体的には、次の3つのポイントがあります。
それぞれのポイントについて見ていきましょう。
設置場所に適した種類を選ぶ
LEDサイネージを選ぶ際には、「どこに設置するのか」「どのような環境で利用するのか」を明確にしておくことが大切です。
というのも、屋内と屋外ではLEDサイネージに求められる性能が異なるからです。たとえば、直射日光が当たる屋外に設置する場合は、太陽光に負けない「高輝度性能」、雨や風・塵埃に耐えうる「防水・防塵性能」、紫外線や温度変化に耐えられる「耐候性」などが必要となります。
一方、商業施設やオフィスビルといった屋内に設置する場合は、屋外ほどの輝度は不要ですが、通行者が近くで見ることを想定した「高い精細性」、どの角度から見ても鮮明に見える「広い視野角」などが必要です。目的や視聴距離、設置時間帯なども考慮し、総合的に最適な仕様を選ぶことがポイントになります。
「確認しておくべき導入のためのチェックリスト15」の資料DLはこちら
初期費用とランニングコストを把握する
LEDサイネージの導入にあたって、「初期費用」と「ランニングコスト」の両面を事前に把握しておくことが重要です。初期費用には、機器本体の購入費、設置工事費、コンテンツ制作費などが含まれ、これらの金額は、サイネージのサイズや仕様によって変わります。特に、ディスプレイが大型であったり、特殊な形状である場合は、機器や工事にかかる費用が高くなる傾向があります。
一方、ランニングコストとして把握しておくべきは、主に電気代、メンテナンス費用、コンテンツ更新費用などです。LEDは省エネルギー性能に優れていますが、高輝度モデルや長時間稼働させるケースでは、消費電力が増加し電気代も上がる点に注意が必要です。
また、LEDモジュール自体は長寿命ですが、コントローラや電源ユニットといった周辺機器には定期的な点検・メンテナンスが不可欠という点も抑えておきましょう。
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サポート体制や実績を確認する
LEDサイネージの品質と並んで重要なのが、導入後のサポート体制やベンダーの信頼性です。LEDサイネージは、導入した時点よりもむしろ運用開始後の管理・保守フェーズのほうが重要といえます。そのため、万が一のトラブル発生時に迅速な対応が受けられるか、定期的な点検・修理などのサポート体制が整っているかを事前に確認しておくことが大切です。
また、LEDサイネージに表示する映像やコンテンツの制作や配信の管理までサポートしてくれるベンダーを選べば、自社のリソースを割かずに効率的に運用することが可能です。ベンダーの過去の導入事例をチェックすることで、技術力やトラブル対応力を把握できます。
特に、同業種・同規模の企業や、似たような機種の導入実績があれば、信頼できるパートナーであるという安心材料になるでしょう。たとえば、弊社、アビックス(AVIX)ではLEDサイネージ・デジタルサイネージの分野におけるパイオニア企業であり、製品の提案から設置、コンテンツ制作、運用・保守に至るまでをワンストップでサポートしています。
実際に、フルカラーLEDディスプレイの2022年・2023年販売額では、メーカーシェアNo.1を誇る実績があります。LEDサイネージを導入する際は、信頼性とサポート力を兼ね備えたベンダーを選ぶことが、運用の成功を左右するポイントです。
LEDサイネージの導入事例
ここでは、実際にLEDサイネージを導入した企業の事例を3つ紹介します。
空間演出と視認性を両立した屋内LEDビジョンの事例
兵庫県姫路市の株式会社ヤスヒラでは、会議室のリニューアルに伴い、アビックスの屋内用COB方式LEDビジョン「CYBER VISION」を導入しました。
設置されたディスプレイは、全長10.8m・ピクセルピッチ1.85mmという高精細仕様。社内会議はもちろん、顧客向けの生産技術セミナーにも活用されており、来訪する採用候補者や外部の関係者から高い評価を得ています。COB方式による粒状感のないなめらかな映像表現に加え、左右に各5度の傾斜を持たせた設置により、単なる情報表示を超えた「映像体験」としての空間が特徴です。会議室は企業イメージやブランド価値の向上にもつながっています。
視認性の高い大型LEDビジョンによる屋外広告の事例
東京都の新たな商業施設「オモカド」(表参道)および「ハラカド」(原宿)では、アビックスの屋外用LEDビジョンを活用しています。表参道の「オモカド」には、横幅10.32m・高さ5.76m、ピッチ6mmの大画面LEDビジョンを設置。
一方、原宿の「ハラカド」には、より高精細なピッチ3.91mmのLEDビジョンが採用されています。これらのLEDビジョンは、アビックスのクラウド型コンテンツマネジメントシステム「DiSiクラウド」によって一元管理されており、屋上のディスプレイと地上のビジョンが連動する演出が可能です。
さらに、音響システムと連携した映像表示により、神宮前交差点を中心としたエリア全体に臨場感あふれるダイナミックな広告体験も提供。リアルタイムな情報発信と音響・照明との連携により、施設価値とブランディングの向上に貢献しています。
東急プラザ表参道「オモカド」・東急プラザ原宿「ハラカド」 様へのLEDサイネージ導入事例はこちら
ガラス面を活かした透過型LEDサイネージの事例
「コロンビアスポーツジャパン(原宿旗艦店)」では、国内最大級サイズの「高透明度LEDビジョン(trA Vision)」を導入しました。
このような高透明度LEDビジョン(trA Vision)の導入により、建築物の外観やデザインを変更する必要がなく、高い視認性と情報発信力を両立させています。この自然光を取り入れながらアウトドアの世界観を表現する映像を表示することが可能です。
このLEDビジョンは耐熱性にも優れたメタル素材のメッシュ構造で、80~90%という高い透過率を持つため、外から映像越しに店舗の内観を見る事ができ、効果的なデジタルサイネージとして活用されています。
株式会社コロンビアスポーツウェアジャパン様へのLEDサイネージ導入事例はこちら
LEDサイネージの導入で、ビジネスの可能性を広げよう!
この記事では、LEDサイネージとは何か、その仕組みや種類、導入時のポイント、実際の導入事例について詳しく解説しました。
LEDサイネージの導入により、企業の認知度向上やブランド価値の向上が期待できます。特に、LEDサイネージであれば、視認性の高い映像表現や空間演出を通じて、顧客との新たな接点を創ることが可能です。
アビックスでは、デジタルサイネージの専門企業として、豊富な導入実績と多様な製品ラインナップを有しており、製品の提供から設置、運用、メンテナンスまでを一貫してサポートしています。
LEDサイネージの導入をご検討中の方は、ぜひアビックスまでご相談ください。また、弊社が取り扱っているLED製品・サービスの総合カタログや、最新の導入事例集やお役立ち資料などについてもダウンロードしていただけるので合わせてご活用ください。
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